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大分地方裁判所 昭和30年(ワ)14号 判決 1955年10月28日

原告

右代表者法務大臣

花村四郎

右指定代理人法務事務官

元永文雄

竹田市大字竹田町三一〇

被告

船越タカ

右当事者間の昭和三十年(ワ)第一四号詐害行為取消等請求事件につき左の通り判決する。

主文

別紙不動産目録記載の物件につき昭和二十八年二月二十六日訴外仲山恒幸と被告と為した贈与契約は取消す。

被告は前項の不動産について大分地方法務局竹田支局昭和二十八年二月二十六日受付第二百四十九号贈与による所有権移転登記の抹消手続をせよ。

訴訟費用は被告の負担とする。

事実及争点の要領

原告は主文の通りの判決を求め其請求の原因として、訴外仲山恒幸は昭和二十八年二月二十六日現在にて昭和二十五年分所得税三万六千四百円同利子税一万一千五十円同延滞加算税一千八百円督促手数料二十円及び昭和二十六年分所得税二万八千七百円同利子税四千三十二円同過少申告加算税一千四百円同延滞加算税一千四百三十円合計八万四千八百三十二円を滞納している者であるが同人は昭和二十八年二月二十六日右国税等の滞納処分による差押を免れる為故意にその唯一の財産である別紙目録記載の不動産を被告に贈与し同日大分地方法務局竹田支局(受付第二百四十九号)でその贈与による所有権移転登記を為した。

よつて原告は国税徴収法第十五条に基き本訴に及ぶというのである処被告は合式の呼出を受けながら昭和三十年十月十三日午前十時の口頭弁論期日に出頭せず答弁書其他の準備書面も提出しないのである。

理由

依つて原告の本訴主張事実は民事訴訟法第百四十条第三項前段同条第一項により被告が自白したものと看做されるので原告の請求は凡てこれを認容する。

依つて訴訟費用につき民事訴訟法第八十九条を適用して主文の通り判決する。

(裁判官 黒田実)

不動産目録

竹田市大字竹田町字新町参百七番地

一、宅地 参拾九坪

同所同番

家屋番号 同大字弐参四番地

一、木造トタン葺平家建店舗 壱棟

建坪 弐拾坪

付属

木造トタン葺平屋建厩舎 壱棟

建坪 四坪

木造トタン葺平屋建厩舎 壱棟

建坪 壱坪

木造トタン葺平屋建厩舎 壱棟

建坪 拾壱坪

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